1974年 2月18日 アムステルダム2日目
細長く三両連結された市電に乗り、まず国立美術館へ行った。 ルネッサンス中期の大画家、レンブランドの作品が目的。ヨーロッパの美術館で目につくのが宗教画。私達はあまり興味が無いが、それでもこの美術館の宗教画は今までよりいい感じ。(勝手な事書いて申し訳ありません) 「光と影」のレンブラントの絵にはさすがに他の作品とは、かけ離れた新鮮な素晴らしさ・・・人間性を感じることができる。同じ素材で描かれている人物であったとしても、また光と影を似せてあったとしても、レンブラントとの作品の区別をつけることが素人の私達にもできるような気がするほど、その絵の持つパワーというかすごさというか、やはり偉大!なのです。
美術館のレストランでお隣のテーブルにすわられた年配の日本の男性。「日本のかたですか?」と話しかけてこられた。とても素敵な方で、お話から陶芸の大家らしい。ヨーロッパ各地の美術館へ行っておられる、というより招待されておられる様子。もう70歳に近い(69歳)と言っておられたが、とてもお元気で若々しいのです。昨日はコンサートヘボウで歓声をあげたと少々興奮気味。「長い間、日本語を話していないのでお話出来てうれしい」とおしゃってくださった。 とても素晴らしく人生を生きれおられる人。もう少し年が若ければ・・・と少々残念そうにおっしゃった人。魅力があふれ出ておられる人。 斉藤菊太郎とおっしゃる人物。 お会いできて良かった!
近くにある市立美術館に足を延ばす。ゴッホを観るため。斉藤氏とのお話の中でゴッホのパノラマ的な画法はあまりにも素晴らしいと言っておられた。 そのゴッホ。セザンヌ。シャガール等々とてもうれしくなる。 が、抽象画の部屋ではまるで分からず自分の目と頭を疑ってしまう。一室は絵という絵は、白いペインテングで塗りつぶされているものばかり。一室は娘が描いたような絵ばかり。少し頭が混乱してくる。。私は絵を理解できない人間なのかも。。。
音楽が好きな人には泣いて喜ぶ、コンサートヘボウは外だけ鑑賞することに。勿体無いと思うのだけれど、残念ながら私達二人には、ここで音楽を聴くほどの耳をもっていない・・・千果には是非ここで音楽を楽しめる人になって欲しいと思う。
ソニーのラジオ(幸治がアメリカへ行く時に持って行った)を売ろうと、レンブラント広場にも立ち寄りそのまま歩いてホテル近くまで帰る。その間2・3軒当たってみたがソニーの最高級品だと理解してもらえず、安値を言ってくるので、アムステルダムで売るのをやめる。
私がこの旅行ではじめての自炊。と言ってもパン、ハム、さばの缶詰、スープ、サラダ、と白ワイン。幸治がアメリカで持ち歩いたフォンデューセットのような調理器具しかない。
夜、映画館に入ってみたが、スペイン映画で分からなかった。(オランダ語もわからないのに!無謀だ)
追記: 夕方、カメラをホテルに忘れたので幸治がすぐ近くのホテルに取りに帰っている少しの間、道で待っていると中年のおじさんが寄ってきて「HOW MUCH?」と言うのではじめは解らず「?」という感じの私。しつこいので意味が解りびっくり。すぐ幸治が帰ってきたのでヤレヤレ。 アーぁ ここでは女一人で立っていると商売女とみられるのだ!!
今振り返って・・・斉藤菊太郎さんの事をグーグルで検索してみたら、ちゃんと出てきました。やはりすごいお方だったのですね。 コンサートヘボウは今の私達なら楽しむことが出来るのにと残念です。加齢は楽しむすべも知る・・・二人ともテレビを見ない代わりに音楽やオペラを楽しむことが出来るようになってきました。